はてなブログ、2021くらいからちまちまやっているらしい。内容がおかしすぎるため記事のほとんどを非公開設定に変更したが、下書き含めて40件以上あるらしい。ゴチャゴチャ色々考えて文章を書くことは楽しいね
読んだ本、おすすめしてもらった本の読書感想文をここにまとめようと思う ノートでつけているがいかんせん字が汚く……
言語と行為 オースティン
○総評
とにかく読むのに苦労した
訳者解説を読んで、自分が読むのに苦労したのは決して自分が活字離れ頭すっからかんのゼット世代(いいすぎ)だからでは無いと分かって少し安心した
内容は半分弱読んだあたりから尻上がりに面白くなり、解説に肖像の載っているあの彼の講義をまさしく自分も受講しているかのような感覚があった
○読書感想文🎶
以前から抱いていた、「人間関係を名前で定義することについての疑問」について考える糸口がつかめた気がする。
私が抱いていたこの疑問に関して、私自身の、人間関係の複雑さへの理解が疑問の原点となっていたのかもしれないという気づきを得た。
そしてそれだけでなく、本書を通じて、私のこの疑問に新たな視点が加わった。
言葉とは単に関係を定義するという役割に留まらず、その関係を現実のものとし、言葉を交わした二人のあいだに理解の共有をうみだす役割を果たしている、という視点だ。
私の持論では、他人と交際をスタートする際にわざわざ「付き合ってください」と宣言をし、2人の関係性に名前をつけることはナンセンスだと考えていた。(非公開にしてしまったが、「我々は恋愛という概念に踊らされている。目をさまして!」の記事に嫌というほど書いたし大学の入口で啓蒙活動をしようとすらしていた)
なぜなら、人間関係というのは関係性に名前をつけて宣言することの出来るような単純なものではなく、グラデーション的なものであると捉え、そこに重きを置いて考えているからだ。そして、この考えに伴った私の中の常識として、「付き合ってください」という発話はただの関係性の確認と名付けにしか過ぎないと思っていた。
ところが、「付き合ってください」という発話について、単なる情報伝達でなく、それ自体が特定の行為を実行する言楽であると捉えるとすると、私の持論はいささか乱暴すぎたのではないかという思考に至る。
例えばこの場合だと、この発話を通して我々は関係の認識とコミットメントの2つの行為をすることとなる。
曖昧な関係が明確に定義され、互いの期待や役割がよりはっきりとさせられる。また、そして、単に交際の開始を意味するだけでなく将来の行動や合意に対する合意を含む、と言った具合だ。
ただ、私がこの場合のように言葉を常に額面通りに捉え、その遂行的な側面をまったくもって無視して生きてきたかというと断じてそんなことはないと言えよう。恋愛や「付き合う」という言葉を使用するような場面があまりに自分の日常から遠すぎたせいでこのような極端な持論に至ってしまったが、私は常に本書で述べられている「遂行的発話」がもつリスクを理解し、また、適切に言葉を使用しようと心がけている。
分かりやすい例がいくつかある。
例えば私のメールの文面はとてもかたく、時によっては相手に軽い威圧感すら与えてしまうようだ。これは私が正確な表現を使うことで誤解を防ぎ、意図を正しく伝えようとするために起こってしまうと考えている。本書の言葉を借りるならば、命題的発話と遂行的発話の混同を回避していると言える。
そもそも私は冗長な表現をあまり好まない。
話が脱線するが、私は文章においても絵においてもモーツァルト的な感覚のものを大変好んでいる。私が考える「モーツァルト的」とは、余計なものが一切削ぎ落とされていてパッと見単調でつまらなく見えるが、そこにこそ芸術としての真髄があるというようなものだ。15年間ピアノを習ってきた中で、小学生の頃はモーツァルトの曲を単調でつまらなく、むしろダサいとすら感じていた。しかし年を追うごとにに、必要最低限の音で表現することの難しさとその美しさへの発見を重ねることとなった。
このような背景があって、実際にそうできているかはさておき、文章においてもなるべく的確で短い表現への置き換えを試みるようになったのだ。ただし、全て短くすれば良いと言うわけではなく、ある意味女性らしく柔らかい表現(グリッサンドのような装飾)や語感や読みやすさも重視されなくてはならない。
話は戻るが、本書のフレームワークを適用できる私の日常的なコミュニケーションの例として他に、度々自分の発言を打ち消すような余計な一言を添えてしまうことが挙げられる。
この背景には、遂行的発話がもたらすリスクへの理解があると言える気がする。そのためしばしばしてしまう保身的な発言について、また保身に走ってしまった…などの自己嫌悪に陥らず、むしろ自分は言葉が現実に与える力について深く理解しているのだと褒めてやっても良いのかもしれない。
⚠️思いつくままに書いていたせいで読書感想文としての着地点をすっかり失ってしまった‼️
私は常日頃から言葉というものが大好きで、一日中あらゆる言葉をこねくり回して遊んでいるのでこの本は非常に興味深い1冊だった
ヴィトゲンシュタインの著書も積ん読リストに追加
・自分の全く知らないジャンルや概念の本を読むことで自己理解が深まってたのしい
・このフレームワークを使うことで自分のコミュニケーションスタイルや注意深さの背景について説明することができそう
・自分がめちゃくちゃ頭を抱えていた命題についての答えも降ってきた